「スタートアップ補助金を調べたい」と思ったとき、この言葉だけでは制度名が一つに定まらないんですよね。市の制度なのか、県の制度なのか、そもそも補助金なのか融資なのか、最初のうちは混乱します。
高山市在住・接骨院院長のノブです。地域情報メディア『ひだ高山クリップ』で、地元の制度や暮らしにまつわる記事を書いています。起業を考えている知人から「スタートアップ補助金って何を申請すればいい?」と聞かれて、一緒に調べたことがあります。
この記事では、高山市で創業を考えている方が使いやすい実際の相談窓口3つの紹介を交えながら、市・県・国の制度の切り分けから対象経費・申請時期まで順に見ていきます。
「スタートアップ補助金」で指される制度の種類
「スタートアップ補助金」という言葉は、特定の制度名ではありません。創業を支援する補助制度全般を、まとめてそう呼んでいるケースがほとんどです。
高山市で起業を考えている場合、関係しやすい制度は大きく三つの層に分かれます。高山市の補助金、岐阜県の補助金、そして国の制度。窓口も要件も層ごとに異なるため、最初にこの切り分けだけでも頭に入れておくと動きやすいです。
高山市の創業相談窓口、実際の3か所
制度の説明を読むより、実際に窓口で話すほうが自分に当てはまるかどうかが分かりやすい。わたしの知人もそう言っていました。高山市で先に確認しておきたい相談先を3か所まとめます。
- ① 高山商工会議所(経営相談窓口)
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創業予定者・開業後間もない方を対象に個別相談(原則無料)を実施。中小企業診断士・税理士など専門家への相談も可能。起業セミナーも年複数回開催しています。
〒506-8678 岐阜県高山市天満町5丁目1番地 TEL:0577-32-0380
公式サイト:https://www.takayama-cci.or.jp/keiei/management-consultation
- ② 高山市役所 雇用・産業創出課
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市の補助金・融資制度の案内と申請受付窓口。「特定創業支援事業補助金」の申請はここで受け付けます。平日8時30分~17時15分(祝日・年末年始を除く)。
TEL:0577-35-3182 公式サイト:https://www.city.takayama.lg.jp/shisei/1000067/1002790/1006028/1002791.html
- ③ 一般社団法人まちづくり飛騨高山
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高山市中心市街地での出店・創業を考えている場合に関係しやすい窓口。空き店舗家賃支援・改修補助など、市街地内の出店特有の補助制度を取り扱っています。
公式サイト:https://www.machidukuri-hidatakayama.com/hojyoseido/
中心市街地への出店を考えている方は、商工会議所と「まちづくり飛騨高山」の両方を確認しておくと、使える制度の幅が広がります。
市と県と国の制度、何が違うのか
迷いやすいのが、それぞれの制度の守備範囲の違いです。目的と対象者が異なるため、どれを使えるかは事業の内容や段階によって変わります。
| 制度の層 | 主な制度名(例) | 上限額の目安 |
|---|---|---|
| 高山市 | 特定創業支援事業補助金 | 100万円 |
| 岐阜県 | スタートアップ等創業支援補助金 | 200万円 |
| 岐阜県 | スタートアップ事業加速化補助金 | 300万円 |
| 国 | 小規模事業者持続化補助金 等 | 制度により異なる |
上の表はあくまで目安です。補助率・対象者・募集時期はいずれも年度ごとに変わる可能性があります。申請前に各制度の公式情報を確認してください。
補助金と融資は仕組みが全く異なる
補助金は要件を満たした経費の一部が交付される制度で、返済不要です。融資は金融機関から借り入れる制度で、返済が必要。この違いは、資金計画を立てる段階で必ず整理しておきたいところです。
高山市には「創業支援資金融資」もあり、融資限度額3,500万円以内・融資利率年1.6%(条件により1.9%)という条件で使えます。令和8年3月31日までに融資を受けた方には、借入日から3年以内の利子が全額市から補給されます。
ノブ補助金と融資、どちらから動けばいいか迷ったら商工会議所に聞くのが早いです
高山市の補助金、対象者になる条件とは
高山市の「特定創業支援事業補助金」では、対象者になるための条件がいくつかあります。中でも大事なのが、事前に特定創業支援を受けた証明書が必要という点です。この証明書がないと申請できません。
証明書は、商工会議所や商工会などが実施する創業相談・セミナーを通じて取得します。つまり、補助金の申請より先に、相談のプロセスが必要になる制度設計になっています。
- 高山市内での創業(または市内での開業予定)
- 市内に住民登録があること
- 市税の滞納がないこと
- 国・県の創業補助金を受けていないこと
市の補助金と県の補助金は、原則として併用できません。どちらを選ぶかは、事業規模や必要経費の内容によって異なります。
対象経費として認められやすい費目
高山市の補助金では、設備資金と一部の運転資金が対象経費になります。具体的には、マーケティング調査費・広告費・委託費・謝金・知的財産権関連経費など。旅費は対象外という点は、見落としやすいので要注意です。
対象経費の条件として、創業日の1年前から創業日までに納品されていること、1件あたり税別1万円以上であることが求められます。レシートや請求書など、支払いの事実が確認できる書類の管理も早めに始めておくと楽です。
事業計画書で見られやすい内容
申請には事業計画書が必要です。商工会議所で行うセミナーで作成したものをベースに、創業時の内容に更新した形で提出します。
自分が知人に話したときに気になったのは、計画書の「数字の根拠」の部分でした。売上の見込みや経費の内訳を、どこまで具体的に書けるかが、相談窓口での話のしやすさにも直結する気がしています。計画書を作る前に、一度商工会議所に相談するほうが手戻りが少ないと思います。
募集時期と申請の進め方
市の補助金は「創業日から1年以内に申請」という形が基本です。創業前に申請するのではなく、創業後に申請する流れになっています。ただし、証明書の取得には事前の相談が必要なため、創業前から動いておく必要があります。
商工会議所や商工会の窓口で相談し、特定創業支援の証明書を取得します。
証明書を取得した後、実際に事業を開始します。
創業日から1年以内に、市役所の雇用・産業創出課へ申請書と書類を提出します。
県の制度(スタートアップ等創業支援補助金など)は、募集期間が年1回・数週間程度に限られることがあります。募集時期を逃すと次の年度まで待つことになるため、制度の存在を知ったら早めに公式サイトで次回の募集予定を確認しておく価値があります。
申請でつまずきやすい場面と注意点
よくある失敗として多いのが、「証明書を取得せずに開業してしまった」ケースです。市の補助金は証明書が前提なので、開業後に申請しようとしても要件を満たせないことがあります。
もう一つ見落としやすいのが、「市の補助金と県の補助金の重複申請ができない」点です。どちらを選ぶ必要があるため、事業規模や初期経費の内容によって、どちらが合っているかを事前に比べておく必要があります。
また、岐阜県の創業支援補助金は「新技術や地域課題解決につながる事業」を対象にしている枠があります。事業内容によっては対象にならないこともあるため、要件の読み込みが大事です。
起業準備で今日から動けること
制度の全体像を把握したら、今日か今週中に一つだけ動いてみるとしたら、高山商工会議所(TEL:0577-32-0380)に電話して相談の予約を入れることをおすすめします。窓口で話しながら自分の事業内容を照らし合わせると、「どの制度が自分に関係しそうか」がぐっと見えやすくなります。
わたし自身、制度のことを調べるとき、まずパソコンで公式サイトを開いて気になる項目をメモに書き出しています。それだけでも「次に何を聞けばいいか」が見えてくることが多いんですよね。補助金の申請そのものより、最初の相談を一歩踏み出すことのほうが、実は一番大事かなと感じています。
気になる窓口の名前を一つ手帳にメモして、今週末に電話してみてくださいね。動き始めると、不思議と次の一手が見えてきます。












